【人生最期の食事を求めて】餃子の原点を求めた横浜町中華の深み。
肌を舐めるように真夏の熱風が吹き過ぎてゆき、雲のかかる空からはいつでも雨が降る気配を宿していた。
街を過ぎ行く女性たちは片手にハンディ扇風機を持ち、男性たちは日傘を持つ、という真夏の光景は、いつの間にか新しい日常の光景のひとつになったようだ。
あまりの暑さに私は扇子を購入し、すぐさま目の前の灼熱を掻き分けた。 にもかかわらず、私が仰ぐ扇子は冷涼はおろか、熱風ばかりを私に繰り出してくるばかりで、すぐに扇子を使うことを諦めた。
夜になってもその灼熱は変わることなく、歩く度毎に全身から汗が滲み出た。 伊勢佐木長者町に寄り添う大通り公園には、上半身裸体の肌黒い老人が微動だにせずに地べたに座り込み、くすんだシャツと短パンを履いた男たちがひたすらじっとベンチに寝転んでいた。 まるで東南アジアの夜と変わらない。 時折過ぎ去るワイシャツとスラックスの会社員の姿はどこか痛々しい見えた。 生産性を向上せよ、と高らかに主張するならば、どんな業態であれ会社側も思い切ってTシャツと短パンの勤を認めたほうが良いのではないのだろうか? 私は歩を進めながらそう思った。
20時を過ぎていた。 大岡川方面に足を伸ばし、若葉町に辿り着いた。 仄暗さと暑さの沈殿したような街に人の気配はない。 その途上に、十八番という文字が中空に浮かんでいた。 店の建物は補修工事のせいか足場が組み立てられているが、まだ営業しているようである。
店の中に入っていくと、テーブル席が随所に配されていてほぼ席が埋まっていたが、テーブル席の片隅に空席を見出した。 中華街と異なり、国内外の観光客の姿がないことにどことなく安堵した。
テレビから放たれるパリオリンピックの耳障りな音が私を苛立たせた。 以前からオリンピックには微塵も関心がないどころか、むしろ廃止廃を強く望んでいるのだが、今回は強烈な反感しかない。 というのも、ロシアが出場できないならば、ガザによる大量虐殺を続けるイスラエルも出場は禁止にすべきであろう。 その論理が完全に欠落し、誰のためのオリンピックかも同時に暴かれたと言えよう。 オリンピックは平和の祭典ではなく、拝金主義という麻薬中毒に溺れ続けているのだ。
その不快と怒りを遮るために、まずは生ビール(600円)と店名の象徴する餃子(500円)を注文した。 これだけ汗を流しビールを飲めば痛風発作のリスクは高まるはずだ。 しかしながら、ビールを自重し続けている中でこの蒸し暑さに身を置けば、その誘惑はなんと罪深いものだろう。 ひとくち、またひとくち飲むほどに、私はふとそう考えた。 どうせならば、このビールへの刹那的な愛に溺れてしまいたい、と。 そこに餃子が訪れた。 視覚からでも餃子の肉感が醸し出ていて、酢と辣油につけて食した。 一瞬の熱量が舌や口腔を包み込むと、肉と野菜の混濁とにんにくの風味が押し寄せて、ビールをいっそう誘った。
餃子を機転に私の食欲と飲酒欲は高まり、生ビールのお代わりとともに、「肉野菜炒め」(1,000円)と「麻婆茄子」(950円)を追加した。
それにしても、ビールは餃子を催促し、 餃子はビールを催促して止むことを知らない。 餡から溢れ出る芳醇な肉汁を受け止め、にんにくと生姜の心地よい香りに身を委ね続けていると、肉野菜炒めと麻婆茄子が同時に現れた。 それぞれ脂切ったその表層は、食するとそれほど濃いわけでも、くどいわけでもない。 だからこそ、のめり込むように食べ進めてしまうのだろうか?
他の客の注文を何気なく見渡した。 私と同様に中華料理をつまみに酒を飲み進める者もいれば、ラーメンをすする者もいる。 中華街とは異なるまさに“町中華”の原風景を望みながら、私はハイボール(450円)、さらにメニュー表の中で「チャーメン」(900円)が眼が止まった。
すぐさま届いた炭酸のあまり効いていないハイボールを飲みながら、肉野菜炒めと麻婆茄子をぞれぞれ食べ進めていると、チャーメンが登場した。
チャーメン、それは稚内が発祥らしい。 が、ここ横浜でもチャーメンは揺るぎない存在であり、野菜炒めと麺を絡めた汁のないシンプルな外貌で、優しい薄味もまた誠にシンプルである。 柔和な麺を辣油と酢を混ぜて時折食するのは自己流であり、その味の変幻こそ中華料理の妙でもあるのだ。 再びハイボールを注文してすべてを食べ終えると、気がつけば相当な量を食べいたことに気づいた。 それも灼熱と湿気のせいだ、と私は心の中で独白しながら会計を済ませ、ほくそ笑むように若葉町に背...
Read moreやっぱりここの餃子が、個人的No.1です🥺❤️ 夜営業のみ!ディープな街の老舗町中華🍥
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10秒でわかる!「元祖 十八番」
▶︎名物は、野菜たっぷりの最高においしい餃子🥟 ▶︎何を食べても悶絶級に美味!お酒も良心的な価格🙏 ▶︎餃子はお店の前の自販機とネットからも買えるよ👍 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こちらのお店は、黄金町駅近く、ディープな町 若葉町にある老舗の町中華店「元祖...
Read moreprologue〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今回のお店は【元祖十八番】さん。
黄金町駅から徒歩5分ほど。 地元に愛される町中華。 ほろ酔い気分で新参者が来店。
時刻は21:00ごろ。 店内は満席。カウンター席を空けてもらいそのまま店内へ。 注文はメニュー表に自分で書いて提出。 ホールの方の耳が不自由なためこの方式に。
なんか普段よりも綺麗に字を書いた気がする。 私は五目チャーハンと瓶ビールをいただくことに。
テレビを見ながら瓶ビールを飲んでいたら7分ほどでチャーハン到着。 それではいただきます。
Report〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ★・五目チャーハン ¥1150
早速一口。 たっぷりの卵はふわふわでチャーハンはけっこうオイリーでしっとり。 味付けもちょうど良く、王道ながらめちゃくちゃ美味しいチャーハンだ。
ゴロゴロと入ったぷりぷりのエビもアクセントになっていてオイリーなのに食べ心地も軽い。
具材はネギ、卵、エビ、チャーシュー、グリーンピース。量感はしっかりと多いが、そこまで重さは感じず最後まで飽きずに完食。
これだけチャーハンが美味しいと 他のお料理も気になるな。 ごちそうさまです。
epilogue〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アットホームな雰囲気と抜群に美味しいチャーハン。日曜日のこの時間にも大繁盛なのはそれ相応の理由がありますね。
個人的にこのふわふわ卵たっぷり系のチャーハン大好きで、近所にあったら絶対通ってるだろうなーってお店。
他のお料理もめちゃくちゃ美味しそうでめちゃくちゃ爆盛りだったので気になるな。 またこの辺り来たら寄らせてもらおう。 またきます。
それではごちそうさまでした。 とても美味しかったです。
〜〜〜〜〜...
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