此処は【頼朝の法華堂跡】

東隣に「義時の法華堂跡」がある為に、以前より混同されたりしている。 レビューなどでも同様な為、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」放送で注目を集めると思い少し明確にしておこうと思う。

頼朝は現在の清泉小学校の辺り（大蔵幕府跡）に居を構え、1189年頃背後の山に「持仏堂」を建てたとされる。 それが初めの「法華堂」であり「頼朝の墓」が建てられている高台です。 頼朝の死後「廟所」となり「法華堂」と称されるようになりました。

その後、大火による焼失、再建を何度か繰り返し、時代が下りますが江戸時代には、だいぶ荒廃していたようで、1663年に現・白旗神社の位置に再建されました。 1685年に編纂された「新編鎌倉志」にはこの様子が絵図に描かれています。

明治の廃仏毀釈で「法華堂」は「白旗神社」とされ法華堂は消滅、現在に至る。 法華堂址の石碑は江戸時代に再建された法華堂の址を示します。

前述の「新編鎌倉志絵図」では、法華堂から階段が伸びた先に五輪塔が描かれているので、少なくともこの時代には頼朝の墓が建てられていたと思われます。 ただし、現在の層塔は1779年に島津重豪によって「大御堂」から移されたとされる。

鎌倉市による説明板でも、纏めて解説されている為に、より勘違いされやすくなってしまっている。改善した方が良いのだが。

以下、要点 ・現在「頼朝の墓」が有る高台が初めの法華堂が建てられた場所。 ・法華堂址の石碑が示す白旗神社は再建後の法華堂。 ・東隣の「法華堂址」は「北条義時」のもの