大塩平八郎・格之助の墓 — Attraction in Osaka

▼成正寺 １６０４年（慶長９年）増長院日秀聖人の開基。

▼江戸時代には、大塩平八郎の墓は許されなかった。 １８９７年（明治３０年）に田能村直入が建立 格之助の墓も１９１６年（大正５年）に建てられたが、 １９４５年（昭和２０年）の戦災で破損。

▼１９５７年（昭和３２年）に有志の手により父子の墓が復元 境内には『大塩の乱に準じた人々の碑』有り。

▼大塩平八郎 江戸後期の儒学者・陽明学者

●大阪町奉行所の与力の息子として生まれる。 ●26歳：与力になり、学問の余暇を利用して武術を修練 刀・銃・弓・槍の法を悉く知り、殊に槍術は関西第一と称せれるほど

●37歳：役人を辞め、陽明学の私塾を開いた。陽明学者としても秀れていた。

●天保７年の飢饉に際し、救済を奉行に進言するが聞き届けられず、 蔵書（一千二百部、六百五十両相当）を売り払って、救民する。

●しかし、遂には兵を上げ、大阪城を攻撃するも、敗れて自害。 これが「大塩平八郎の乱」であり、この事件ののち講談となって流布。

●森鴎外が、小説「大塩平八...

江戸幕府後期において大阪市中では飢餓が蔓延していた。そんな中、陽明学者でもあり、大阪奉行所の与力でもあった大塩平八郎の義憤にかられた行いはいつまでも忘れさられることはないであろう.......。

当時は幕府と商人との横領や賄賂が横行していた。政治腐敗の根源を断とうと見るに見かね、彼と息子の格之助は天保８年2月19日に、門人の武士や農民らと共にこの地で決起した。最初の砲火はえんじゅの木を切り裂いたと言われている。造幣局前にその碑がある。

大阪市内を駆け巡り、幕吏と戦ったが、遂に終焉の地、靱公園(うつぼこうえん)近くで親子ともども自爆し潰えた。

乱に殉じた多くの人々のお墓は日蓮宗、成正寺に祀られている。

いつの世においても、不正が横行し、制御できなくなるときは当然、是正しようとする動きが出てくるのは...

大塩平八郎の評価はいろいろあるのだろうが、「救民」のスローガンの割には、船場の豪商宅に放火や砲撃戦法を採ったため、当時の大坂市の２割ほどに延焼し、焼死者も数百人、財産を失った者は数万、飢えと寒さによる「災害関連死」も多数出した。 ほとんどが、彼の救いたかったはずの「庶民」だった。

少人数で幕府と対決するための戦法とは言え、結果はあまりにも悲惨だった。意図さえ良ければいいというものではあるまい。 理念先行（というより陽明学に凝り固まって）で、無辜の民の犠牲も厭わない姿勢は、左右のあらゆるファナティシズムと通底しているようで、とても共感できない。

というようなことを思いつ...