大正時代に建てられた、初代自民党総裁で第52～54代内閣総理大臣鳩山一郎の邸宅。東京都文京区音羽にあることから音羽御殿の通称がある。その後平成期に修繕され、記念館として一般に公開されている。現在は孫である鳩山由紀夫が相続し。応接室のテレビからは鳩山由紀夫のご挨拶のビデオが流れているが、へぇ～この人東大工学部卒なんだな、理系卒なのに何故宇宙人とも揶揄される不思議な言動をとるのかは定かではないが、弟の邦夫とそろってちょっと変わった兄弟であったことには違いなく、育ちの良さがそうさせてしまったのかもしれないとビデオを見ながら失礼ながらもそんな事を思ってしまった次第だ。元民主党の人達もちょっとアレだけと、悪い人じゃないんですいい人なんですとテレビなんかでは言っていましたねw。 そんなことはともかくとして、この音羽御殿であるが戦後日本の歴史の舞台だったというのが今回訪れた際のポイントである。それはサンフランシスコ講和条約の調印をソ連が拒否した為、この場所にソ連側の官僚を秘密裏に呼び寄せてソ連と個別に戦争状態の終結や国交回復の交渉をした場所なのである。そしてさらに密約ともとれる交渉がなされたというのも想像に難くないものだ。それは日本の国連加盟と北方領土の返還の事で、当時日本の悲願であった国連加盟はソ連が拒否権を発動し叶わなかったのだが、ここでソ連が常任理事国として日本の国連加盟に拒否権を発動しない代わりに、日本は北方領土の2島返還でというバーター的な密約がなされたというものだ。実際に日ソ共同宣言の合意を以って、ソ連が拒否権を発動しなかった為、日本は国連加盟を果たしているが、アメリカからの横ヤリ（いわゆるダレスの恫喝）で日本が4島返還に態度を豹変させた事から領土問題が進展していない状態が続いている。ここに書いた内容は正しくないという声も否定はしないが、今となっては当時の状況を知りえる手段もないし、物事を先に進める方策だったともいえるだろう。交渉内容の真偽はともかくとして、この場所でそういった重い交渉がなされたということは認識しておいてもいいだろう。 さて、固い話はここまでとして、文化財のお屋敷として特筆しておくことは、いろいろな制限が緩いという事だ。例えば写真撮影は一部を除いて自由だし（さすがにコスプレは遠慮してくれとなっていた）、ソファーや椅子にも自由に座れる。何だったら食堂のテーブル席では飲み物を飲むこともできるし（自販機もある）、2階のホールは貸しホールにもなっているのだ。きっとそれは鳩山家の心情である友愛精神からきているのであろうし、庭にはおをらくその友愛を示していると思われるバラが植えられており、バラが咲く春や秋に訪れてみるのが良いのではなかろうか。