Ono Terusaki shrine

小野照崎神社（おのてるさきじんじゃ）は、東京都台東区下谷二丁目にある神社です。入谷駅か、鶯谷駅から程なくのところに鎮座しています。小野篁（おの の たかむら）を主祭神とし、相殿に菅原道真を祀る神社です。創建は852年（仁寿2年）とされ、この地の住民が上野照崎の地に小野篁を奉斎したのが起源と伝わる神社です。1,100年以上の歴史がある神社ですね。寛永年間（1624年-1643年）、寛永寺の建立のため幕府より移転を命じられ、現社地に遷座したそうです。江戸末期、回向院より菅原道真自刻と伝わる像を迎えて相殿に祀り、「江戸二十五天神」の一つに数えられた。樋口一葉の「たけくらべ」に「小野照さま」の名で出ていることでも知られています。ご祭神の小野篁（おの の たかむら）公は平安時代初期の公卿、文人で実在した人物です。 参議・小野岑守の長男で。官位は従三位、参議。異名は野相公、野宰相、その反骨精神から野狂とも称されています。小倉百人一首では参議篁（さんぎたかむら）。小野小町の祖父にあたります。弘仁6年（815年）に陸奥守に任ぜられた父・岑守に従って陸奥国へ赴き弓馬をよくしたと言われています。しかし、帰京後も学問に取り組まなかったことから、漢詩に優れ侍読を務めるほどであった岑守の子であるのになぜ弓馬の士になってしまったのか、と嵯峨天皇はお嘆きになりました。これを聞いた篁は恥じて悔い改め、学問を志し、弘仁13年（822年）文章生試に及第したそうです。身長六尺二寸（約188cm）の巨漢でもあったと伝えられています。当時の平安時代の男性の平均身長は159.5~163.5cmほどであったということですから、かなり大柄な人物だったようですね。篁公の頭脳の明晰さや、反骨精神を良く表しているエピソードがあります。「嵯峨天皇が「無悪善」という落書きを読めと篁に命じたが、篁はなかなか応じようとはしない。さらに天皇が強要したところ、篁は「悪さが（嵯峨）無くば、善けん」（「嵯峨天皇がいなければ良いのに」の意）と読んだそうです、なんとも不敬でシニカルな対応ですね。嵯峨天皇は、これが読めたのは篁自身が書いたからに違いないと非難し、篁は「どんな文章でも読めます」と弁明ししました。そこで嵯峨天皇は、では「子子子子子子子子子子子子」を読めと言ったところ、篁は「猫の子の子猫、獅子の子の子獅子（ねこのここねこ、ししのここじし）」と読み、解き事なきを得たそうです。この機転の聞いた対応とそれを受けた嵯峨天皇も篁公お許しになった、というものです。それだけ篁公の能力を嵯峨天皇は評価していた、ということでしょう。学問、芸能、仕事の神様として参拝される方も多い神社です。