六本木トンネル。青山墓地と六本木ヒルズを結ぶこのトンネルは、ただの交通インフラでありながら、独特な雰囲気を持つ場所だ。映画やドラマのロケ地としても使われ、その静かな佇まいと、無機質なコンクリートの壁が生み出す冷たさには、どこか心に訴えかけるものがある。特に印象的なのは、トンネル内の柱が作り出す光と影のコントラストだ。
昼間、太陽が高く上がっている時間帯には、柱の影がくっきりと地面に落ち、トンネルの長い道のりをさらに長く感じさせる。夕方になると、光の角度が変わり、影はさらに濃く、伸びやかに。歩いていると、その影が自分の足元を滑るように追いかけてくる感覚が生まれる。この光と影のゲームが、まるで時間が止まったかのような錯覚を与え、ただ通り抜けるだけでは終わらせたくない、そんな気分にさせる。
ただし、このトンネルが持つ魅力は光と影だけではない。どこか寂しげで静かな空気感もまた、訪れる人を引き寄せる。周囲には大都会・六本木の喧騒があるというのに、このトンネルの中だけは時間が緩やかに流れているように感じられるのだ。人の気配はありつつも、無言の時間が支配する。無機質な壁、コンクリートの冷たさ、柱の並び、これらすべてが合わさって生み出す独特の感覚。通り過ぎる人々の多くは気づかないかもしれないが、足を止め、ふと周囲を見渡せば、そこには何かしらの「物語」があるように感じる。
また、六本木トンネルのこの寂しげな雰囲気は、まさに現代の東京の二面性を映し出しているのかもしれない。トンネルの出口には六本木ヒルズという象徴的な現代の高層建築がそびえ立ち、もう片方の出口は、かつての歴史を背負った青山墓地が広がっている。この二つの場所をつなぐトンネルが持つ無機質な静けさは、過去と現在、さらには未来の狭間にある不思議な空間だ。
日常の中で、こうした場所に目を向けることは少ないかもしれないが、六本木トンネルは足を止める価値のある場所だ。無機質で冷たいはずの空間が、なぜか温もりを感じさせるような、そんな瞬間を見...
Read moreMarch, 2023
Hidden amidst the Roppongi Hills Mori Tower, home to the Mori Art Museum and the National Art Center, lies the Roppongi Tunnel adorned with captivating murals. This short tunnel connects the National Art Center, Nogizaka Station on the Chiyoda Line, and the Tokyo Metropolitan Road 319 leading to Roppongi Hills and the Mori Art Museum.
While it’s considered a form of street art, the Roppongi Tunnel distinguishes itself by featuring not graffiti but five oversized paintings:
‘ROPPONGI SEASIDE TUNNEL’ by Toru Kuwakubo
‘Yugata no e (夕方の絵, painting of sunset)’ by Chikara Matsumoto
‘Tokyo Hakkei (東京八景, Tokyo’s eight sceneries)’ by Daisuke Samejima
‘Zipper (ジッパー)’ by Jun Kitagawa
‘Sabaku no naka no Hibiscus (砂漠の中のハイビスカス, Hibiscus in the desert)’...
Read moreI was expecting much more. And it’s literally three murals (because the fourth has been removed), and while they’re really cool, it’s really not much. Fun to see when you’re randomly passing by, but definitely not a place...
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