20年ぶりの訪問です。シュハスコ店として老舗です。 長文ですが、他の人が知らないであろう細かい情報や シュハスコ店で頼む方法などもお伝えします。

1994年頃に開店した神戸初のシュハスコ専門店です。 こちらは90年代シュハスコ店の先駆けで、渋谷や銀座、 心斎橋にあった伝説のシュハスカリア、バッカーナ直系 の後継店です。当初の店名はサバスブラジリアーノ。 バッカーナもブラジリアーノも開店当時のオーナーは ひらけポンキッキ！を手掛けたフジテレビの 元プロデューサー。現在はその下で働いていた方々が 引き継いで経営されています。 サバスブラジリアーノはこちらが第1号店、東京の 外苑前が2号店で開店しましたが現存するのは こちらのみ。元イタリアレストランの居抜き物件を イノベーションし、神戸港が見える最高の ロケーション。店内上部のシャンデリアは イタリアレストランが特注したその名残です。 90年代後半は毎日ライブも頻繁に開催。東京でライブ していたミュージシャンたちが呼ばれて毎日演奏して いました。現在、リオのサンバ、ショーロで大活躍、 いまはYouTubeで2万人越えフォロワーとなっている Toninho Brancoも震災当時95年までこちらで演奏 していました。そのほか月イチでバーデンパウエル、 ミウシャ、マルコス・ヴァーリ、カルロス・リラなど ボサノヴァの有名なミュージシャンもライブしていた お店です。

現在は完全にシュハスコ店として老舗になりましたが、 キッチンを挟んだ隣は中華料理店も経営していました。

肉をサーブしに来るシュハスケイロ、パサドールの ほとんどがブラジル人だけです。シュハスコに疎い 日本人客は興味がないとわからないでしょうが、 これはとても大変なことです。ブラジル人は言う ことをきかない勝手な人も多いので店員として採用 するのは難しいことです。だから他のシュハスコ店 ではイタリアやフランスなどEU系、中近東系の人が 多くなりましたが、こちらでは一貫してブラジル人を 採用、きちんと接客しています。

ディナー3900円でこの肉質は他の店ではマネできない でしょう。シュハスコは岩塩をまぶして焼くので元々、 塩の味付けがやや濃いですが、こちらはちょうど よい味付けかと思います。

ピッカーニャ（イチボ、ランプ肉）は近年有名に なったので他の店でも食べられますが、首付け根の コブ肉（クッピン）が食べられるのは京阪神では このブラジリアーノだけ！クッピンはピカーニャ より希少です。ナイフで切るとホロホロと割ける のが特徴で、ややパサつき感には好みありますが、 実はマグロでいうとカマトロ的な希少部位です。

フェジョアーダはライスに黒豆をかけて ファリーニャを少しまぶします。 現地ブラジルに近い少し塩味が強い味付けですが、 これも日本人も満足できる味わいとなっています。

また2024年現在少し静かなブームになっている ブラジルプリン。ブラジルらしい練乳がきいた 激甘の味付けで少し甘すぎると思う日本人が多い かも…。でもこれが食べられるのも神戸では ここだけでしょう。

なお日本人客は知らない人がほとんどだから やりませんが、ブラジルでは自分が食べたい、 焼き加減など肉の部位は細かく指定できます。 ブラジルでは5段階の焼き加減を指定できますので、 もし指定したければ、下記を参考にして注文して ください。 1：ベン・パッサード（よく焼き、ウェルダン）、 2：アオ・ポント・ベン・パッサード（ウェルダンと ミディアムの中間） 3：アオ・ポント（いわゆるミディアム）、 4：アオ・ポント・マウ・パッサード（ミディアム とレアの中間ぐらい） 5：マウ・パッサード（少し火が通った、レアに 近い焼き方）

これに「ポル・ファヴォール（お願いします）」を つけて言います。（たとえば、「ベン・パッサード・ ポル・ファヴォール」とシュハスケイロ （パサドール）に言えばスムースに頼めます。 なおパッサードは男性言葉。女性言葉はパッサーダ）

日本人やEU系店員がいる店と違い、ブラジル人は 細かく言ってもうるさい客だと思いません。 だから遠慮なく頼めます。 とはいえメニューは日本語と英語が中心です。 ポルトガル語は基本的には必要ありません。 でもポ語で少し話すと店員さんは返してくれる。

これだけブラジルらしいシュハスコのお店は 京阪神でももう数少ないです。

最近、なんちゃってシュハスコ店が増えていて、 神戸にも進出したようですが、肉の切り方が雑。 肉以外にブラジルらしいメニューもなく、 音楽やムードもテキトーだったります（笑）。 それと比べるとブラジリアーノは肉の切り方も セオリーもしっかりわきまえていてメニューも 豊富だし、ブラジル音楽をBGM流しています。

神戸在住のブラジル人や観光客などが来店する お店です。それだけ信頼されている証でしょう。