"第◯代目※※"なる言いまわしがある。助数詞というのだそうだが、世代を数えるのに用いるもの、というのは言うまでもないだろう。 古くからある家柄や、事業など受け継がれてこそ使われるものなので、私のような三男坊、いやそれ以前に受け継ぐべき家格も家業もないものにとっては、まったく関係のないものなのが、なんとなくさみしい気がしなくもない。 ある落語家が噺のマクラで語っていたことだが、落語家の代目というのは、けっこういい加減なものなのだそうだ。◯代目は人気がなかったから数えない。✖️代目は酒でしくじったから、ないことにしてしまう、そんなものらしい。人気商売だから仕方のないことだが、逆を言えば多少アバウトでいないと、続かないものなのかもしれない。 例えば三越。 元はと言えば、江戸時代に伊勢松坂の商人 三井高利が日本橋に開いた呉服店 越後屋がその発祥だが、同じ小売業とはいえ呉服屋と現代の百貨店事業とではずいぶん違う業態といえよう。そもそも越後屋そのものが革新的な存在だった。店前現金売り、現金掛値なしといった一般市民相手の正札販売を世界で初めて実現した。こだわっていてはいられない、変化してこその継続性という事であろう。 東鶴賀町、権堂界隈。 長野中央病院のすぐそばだが、飲食店や飲屋街、ラブホテルなどが立ち並ぶ少々猥雑な街並みでもある。亡くなった叔母に聞いたことだが、このあたりはかつて遊廓街でもあったという。このような、古くからある寂れた街角は、私のもっとも好きな風景だ。飲み歩く習慣はないので、昼日中、こういった地をふらふら歩くのがよい。がちゃがちゃと未整理な家々や裏通りは、都市計画とは真反対な有様だが、それ以上に歴史の深みが、直に感じられるのがたまらない。 「えど家」 その一画にこちらはある。存在は以前から知っていたが、どうにもタイミングが合わずお邪魔することがなかった。 平屋 漆喰壁の日本家屋は古くはあるが、まめな改装と整理整頓が徹底されているためか、清潔感のある気持ちのよい空間となっている。 北長池の「えど家」さんとご関係がある、という情報をいただいたので、ご店主にお訊ねすると、北長池はおじさんの店だそうだ。おじさん、というのは先代であるお父さんの弟さんで 『おじさんのコスパと接客はまねできない』 と笑いながら話されていた。 場所や存在感からして勝手に"正統派ラーメン店"を想像していたのだが、それはまさに"勝手"というものだ。券売機を一瞥すると、「中華そば」というデフォルトメニューはあるものの、鶏白湯、冷たい煮干し中華そば、冷製トマトつけ麺といった意欲的なメニューがあり嬉しくなる。 「特選...
Read moreうだるような暑さが続く日本の夏。食欲も落ちがちで、さっぱりしたものばかり求めていませんか? そんな夏バテ気味の胃袋をガツンと覚醒させてくれる、最高のつけ麺を長野市で見つけました! 今回訪れたのは、長野中央病院のすぐ近くにある「中華そば えど家」さん。 以前は地域に愛される定食屋さんでしたが、数年前にリニューアルし、今では行列もできる人気のラーメン店です。(個人的には昔の定食屋さんの豊富なメニューも恋しいです。) お店に入ると、まず迎えてくれるのは券売機。 「特選中華そば」や「鶏塩そば」など、定番の美味しそうなメニューが並びます。 私の目的は、入口のポスターで見て心に決めていた期間限定メニュー。ありました!「牛ホルスタミナつけ麺」(1190円)です。 …と、その横に「Coming soon 10000円」の文字が!一体どんな豪華なラーメンが登場するのでしょうか?気になりすぎて、次回の訪問が今から楽しみになってしまいます(笑) 店内は、厨房を囲むカウンター席のみ。職人さんの手さばきを眺めながら待つ、ライブ感のある空間です。 今回注文した「牛ホルスタミナつけ麺」は、お店の説明によると、3月に大好評だった「酸辣ジャン麺」を「つけ麺で食べてみたい!」というお客さんの声に応えて生まれた一杯だそう。 牛ホルモンの旨みに辛味、酸味、甘みが混在している1品に仕上がりました。 この説明文を読むだけで、期待値は最高潮に! 席についてしばらく待っていると、ついに主役が到着しました。 キンキンに冷やされた真っ白な器には、美しく盛られた平打ち麺。その上には、鮮やかなオレンジ色の卵黄がちょこんと乗っています。そしてもう一方の器には、見るからに濃厚で熱々のつけ汁が。この時点で、勝利を確信しました。 まずは、麺だけを一口。しっかりと締められており、ツルツルとした喉ごしと、噛みしめるたびに感じる強いコシが印象的です。 これが…最高に美味しい!! 熱々のつけ汁が、冷たい麺によく絡みます。口に入れた瞬間に広がるのは、キリッとした酸味。この酸味が、夏の暑さで減退した食欲を一気に呼び覚ましてくれます。そしてすぐ後に、牛ホルモンから溶け出したであろう深い旨みと、ピリッとした辛味、ほのかな甘みが追いかけてくるのです。 つけ汁の中には、ふわふわの溶き卵がたっぷりと含まれており、全体の味わいにコクとまろやかさを加えています。 これがまた、プニプニとした食感で、噛むほどに上質な脂の甘みがじゅわ〜っと広がります。臭みは一切なく、丁寧な下処理がされているのがよくわかります。 お店のオススメ通り、ある程度食べ進めたところで、麺の上の卵黄を崩して絡めてみました。 ただでさえ美味しい麺が、卵黄の濃厚なコクをまとって、さらにリッチで深みのある味わいに変化!酸味の効いたつけ汁との相性も抜群で、これはまさに「味の二段活用」。最後まで飽きることなく、夢中で麺をすすってしまいました。 今回は挑戦しませんでしたが、残ったつけ汁に「割りスープ」を入れてスープとして楽しんだり、「追い飯」を追加して雑炊風に〆るのも絶対に美味しいはず。 「中華そば...
Read more割烹の様なラーメンを出してくれるラーメン屋さんです! もはや割烹ラーメンと言うべきでしょうか。
ここのラーメン屋さんの推しは、期間限定のラーメンとなんと言っても鳥塩チャーシュー麺/濃いめです。
まず期間限定ラーメンは、お値段も1500円前後でそれなりにしますが割烹料理のような細部に細やかな気がきいた具材に、なんとも体に沁み渡るシンプルなラーメン。 この内容でこれだけ豪華で繊細なラーメンであれば納得のいく内容で、むしろ安いと思います。
また通常ライナップの鳥塩チャーシューは、まずガツンと塩味が聞いた体に沁み渡る繊細な塩スープに適度に縮れた麺、そして低温燻製の柔らかい鳥チャーシューの組合せは、はっきり言ってメチャクチャレベルが高いシンプルイズベストを追求したかのような一杯です。 正直、定番品でこの味を出してくる塩ラーメンは驚きます。
欲を言えばですが、この塩スープのラーメンに魚のアラの澄んだダシが足されたら、すごい事になるだろうとワクワクします。 またラーメンを食べ進めてた後半、さらにこの塩ラーメンを引き立てる為に、梅漬けの酢をテーブルの調味料に置いて頂けたら、この塩ラーメンがさらに至高の一杯になるだろうと思いました。
なお、お店の雰囲気は基本はカウンターで昔ながらのラーメン屋さんと言った雰囲気。 駐車場も3.4台は停められます。
店主は一見強面ですが、話してみるとかなり和食の料理人のような繊細な味覚と食に対する情熱がある方です。 非常に良い意味で、ラーメンに対して真摯で変態です笑 店主の強面な見た目とあの繊細なラーメンのギャップが、また面白いのと、いつも驚きをくれるラーメンに出会えるので...
Read more