厨子には明王像が収められています。中央が不動明王様で真言は「ノウマクサマンダバザラダンカン」です。火炎で煩悩(ぼんのう)を焼き尽くす大日如来(だいにちにょらい)様の怒り化身です。利益絶大といわれる強いパワーを発していますから敏感な方は熱さを感じると思います。 東は降三世明王(ごうざんぜみょうおう)様で、三界(欲・色・無色)、過去・現在・未来の三世、貪欲・瞋恚(しんに)・愚痴の三毒というあらゆる煩悩を堅固に調伏する怒りと慈愛の明王様です。真言は「オンソンバニソンバウンバザラウンパッタ」です。 南は軍荼利(ぐんだり)明王様です。とぐろを巻く者という意味があり首や手足に蛇を巻き付けています。虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)様の忿怒身で息災延命の御利益があります。真言は「オンキリキリバザラ_ウンハッタ」等です。 西は大威徳(だいいとく)明王様で文殊菩薩(もんじゅぼさつ)様の忿怒身(ふんどしん)です。閻魔(えんま)をも降伏させる仏様で善人に危害を加えようとする悪霊の呪いを破壊、また悪夢消滅の功徳があります。真言は「オンシュチリキャラロハ_ウンケンソワカ」です。 北は金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王様です。煩悩や悪業を食べ尽くす釈迦如来(しゃかにょらい)様の化身です。食べ物が喉を通らない(心の)病を治します。真言は「オンバザラヤキシャウン」です。 ここまででも相当な御利益とわかります。チラ見で帰るのではなく、真言の「ノウマクサマンダ バザラダンカン」を唱えて合掌すると強い加護を受けられます。 五大明王は平安前期の一木造りという事ですが、特異なのは内ぐりがなく(一般的な仏像にみられる内部の空洞がなく)重量感のある木仏です。従って、常時開帳では割れによる損傷の可能性があり33年に1度の機会になっていますが、2016年に空調管理された三井記念美術館で特別展示されています。不動明王様は火炎が波形模様で輪郭が宝珠形状です。恐ろしい形相のようで慈悲の視線を感じる表情をされています。他の明王様の火炎は小振りの宝珠形状で各部の形状は2体が対になるような作りが見られます。一木造りではあるものの一体ではなく、腕や台座などに継ぎが見られます。
五大堂は伊達政宗公の時代に造営されています。瑞巌寺の前身は823年に天台宗の延福寺として開創されますが鎌倉中期になると滅しています。1259年には臨済宗の円福寺として開創されますが戦国時代の後は再び衰退していきます。1604年に伊達政宗公により再興され瑞巌寺となりました。明治維新では廃仏毀釈の影響で厳しい状況になりましたが明治9年(1876年)に天皇の御在所となった事で復興につながりました。 五大堂は人は多いけれど面白くないと思った方は鑑賞の方法を知らないという事になります。建築様式には楽しみがあります。正面に立ち、上を見て頂くと左右の木鼻が龍になっています。対になる場合には阿吽(あうん)といって口の開いた阿の龍と閉じている吽の龍が組み合わせられています。蟇股(かえるまた)には干支の彫刻が施されて解りやすい鑑賞対象ですが、屋根を支える木組みや軒反りも伝統技法です。宝形造(ほうぎょうづくり)で隅棟(すみむね)が中央に集まり本瓦葺き。頂上には玉ネギ形の擬宝珠(ぎぼし)があります。隅棟には鬼瓦も見られます。瓦の家紋にも注目です。さらに海岸らしく龍神も屋根に載っています。 石燈籠では、最上部に宝珠という玉ねぎ型の石があります。空の意味がありますから必ず上にあります。次は屋根型の笠、続いて灯りを点す火袋、その下は受け、曲線で縦長の竿、基礎部分が方形の物は地輪といいます。燈籠は形の種類が非常に多く、画像コレクションを制作する楽しみがあります。関心を寄せる程に政宗公らしさがあふれる御堂です。
***丸が9の「九曜(くよう)紋」は政宗公の時代より用いられ、土曜は聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)様、水曜は弥勒菩薩(みろくぼさつ)様、木曜は薬師如来(やくしにょらい)様、火曜は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)様、金曜は阿弥陀如来(あみだにょらい)様、月曜は勢至菩薩(せいしぼさつ)様、日曜は千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)様、計都(けつ)は釈迦如来(しゃかにょらい)様、羅睺(らごう)は不動明王(ふどうみょうおう)様の九曜曼陀羅(くようまんだら)を表します。中央には土曜、上に水曜。時計回りで羅睺、木曜、日曜で下が火曜、順に計都、金曜、月曜となり水曜に戻ります。道中の安全には欠かせない紋です。 瞋恚(しんに)は自分の心に逆らうものを怒り恨む事です。蟇股(かえるまた)はヒキガエルの後ろ足が開いた形で貫(ヌキ)と呼ばれる横に渡された角材の上に設ける力受けと装飾を兼ねたもの。釣鐘形にも見えます***
五大堂入口近くの信号機のところを横断して先の小路を奥に進むと瑞巌寺受付前につながっています。途中にカフェやゲストハウス、アートギャラ...
Read morePerched on a tiny islet just off the coast of Matsushima, Godaidō Temple is a compact yet iconic structure originally built in 807 and rebuilt in 1604 by warlord Date Masamune. Accessible by a vermilion-lacquered footbridge, the temple enshrines five Buddhist wisdom kings (though they’re only shown to the public every 33 years).
Its open-air architecture, intricate wood carvings, and panoramic bay views make it one of Matsushima’s most photogenic and spiritually resonant landmarks — a perfect blend of history...
Read moreすかし橋を渡って松島五大堂に上陸します。小さな島に伊達政宗公により再建されおりますが風化を感じます。
松島五大堂について 松島のシンボル的な存在として知られる五大堂は、朱色のすかし橋を渡った先に佇む美しい寺院です。
歴史と特徴 創建: 大同2年(807年)、坂上田村麻呂が東征の際、毘沙門堂を建立したのが始まりとされています。その後、慈覚大師が五大明王像を安置したことから、五大堂と呼ばれるようになりました。 再建: 現在の建物は、伊達政宗が慶長9年(1604)に再建したもので、東北地方現存最古の桃山建築です。 特徴: 透かし橋を渡って行くため、その立地が特徴的です。また、建物自体も精緻な彫刻が施されており、美しい造りとなっています。 御開帳: 五大明王像は秘仏とされ、33年に一度だけ扉が開かれます。
Here's a translated version that aims to capture the beauty and historical significance of Matsushima's Godaido: "I’m about to cross the iconic lattice bridge and land on the small island where Matsushima’s Godaido stands. Rebuilt by Date Masamune, this temple has a certain weathered charm. Matsushima's Godaido: A Symbol of Beauty Godaido is a breathtaking temple that stands on a small island, accessible only by a striking red lattice bridge. It's a symbol of Matsushima's beauty. History and Characteristics: Foundation: Legend has it that in 807 AD, Sakanoe no Tamuramaro established a temple here during his eastern campaign. Later, Jikaku Daishi enshrined the Five Great Wisdom Kings, giving the temple its current name. Reconstruction: The present building was reconstructed in 1604 by Date Masamune, making it the oldest surviving Momoyama-style architecture in Tohoku. Unique Features: Its location, accessible only by a lattice bridge, is one of its defining features. The temple itself is adorned with intricate carvings, making it a visually stunning structure. Special Opening: The statues of the Five Great Wisdom Kings are enshrined and are only unveiled to the public once...
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