【人生最期の食事を求めて】濃厚なカレー南ばんに宿る老舗蕎麦店の矜持。
上野に降り注ぐ朝の日差しは、あたかも春の装いのようだ。 ロングコートやダウンジェケットを着用する姿が目立ったが、その陽気に表情を緩ませ軽やかな足取りで歩みを進めていた。
東京で芸術の一端に触れるならこの街に限るのだが、およそ30年振りに訪れてもその賑わいは途絶えることを知らないようだ。 しかも、「モネ展」の人気は凄まじく、入場制限と人の群れの中で鑑賞するモネの絵画はどんな印象に変わるのだろう?
上野からかっぱ浅草方面に向かって歩みを進めた。 そう言えば、と私の中で何かが動いた。 浅草にカレー南蛮蕎麦で有名な店を思い出した。 老舗蕎麦屋「翁そば」は、1914年(大正3年)に創業という歴史を有し、地元住民はもちろんのこと、浅草芸人にも愛され続けている庶民派である。
国際通りから六区ブロードウェイ商店街に入り、さらに細い路地裏の小径に向かうと、その店は静かに佇んでいる。 11時30分前だった。 列を作る人数が5人であることを確認して安堵しつつ、高齢の男性客に次に私は付いた。
翁そばの向かい店が開店準備を始めていた。 立ち飲み屋とその隣の店の店主のようだ。 「翁さんも急に行列が増えたよね」 と立ち飲み屋の男性店主が朴訥に呟いた。 「そうだね、なんかインターネットのクチコミってヤツで急に増えたんだってさ」 どことなく江戸っ子の口調の女性店主が応じた。 「そのクチコミってのは、すごいチカラを持ってるもんだね」
『クチコミの威力は計り知れないんですよ』 と私は心の中で彼らに応じた。 『スマートフォンというソーシャルなメディアは消費者や利用者の声や反応を具に拾い上げ、場所や時間を問わず次なる利用者を形成するんですよ。確かにステルスマーケティングやサクラレビューというグレーなマーケティングも現れて、その信憑性は疑わしいものなど良し悪しがあるのは確かです。ですが、今の時代はWEB集客から逃れられないのです。ですから、デジタルを味方につけてください』
11時45分とともに、快活な女性スタッフが暖簾を掲げた。 人数を確認しながら次々と店内に招き入れてゆく。 「店内が大変混み合いますので相席でお願いいたします」 と神妙な口調で案内されると、隣に高齢の男性客が座っていた。 店内に入れた客の順番に応じて注文を尋ねていった。 私は、迷いなく当然のように「カレー南ばん大盛」(750円)に「あげ玉」(50円)のトッピングを告げた。
演芸の告知ポスターや日めくりカレンダーが掲げられた年季の入った店内はこの地の歴史に根づいた片鱗が随所に見受けられ、それを見渡すだけでどこか懐かしい郷愁の風情に浸ることができる。
すると、隣の高齢の男性客にもりそばが届いた。 女性スタッフが「二枚目は1枚目が食べ終わりそうな時に持ってきますね」と付け加えた。 高齢の男性客は軽く頷くと手慣れた手つきで蕎麦を持ち上げ、高齢には似つかわしくない勢いで啜り上げた。 と、そこへカレー南ばんが私の目に置かれた。 表面張力でこぼれ落ちることのない汁の色合いは漆黒までと言わないまでも、黒褐色の様相を呈していて大きな器から溢れ出すことを静かに我慢しているように思えた。 あげ玉が散らばる下で鶏肉が浮遊しているほかは何も見えない。 汁の中に箸を閉じて麺を引き上げようとすると、強烈なとろみが箸と絡まり抵抗を企てているかのようだ。 汁がこぼれず、さらに跳ねないようにゆっくりと麺を引き上げると麺がカレーの薫りと湯気を着飾って現れた。 その麺は蕎麦ではなく、うどんと見紛うほど太打ち麺である。 まずは麺に息を吹きかけ、そっと口元に運ぶ。 カレーはさほど辛いわけではなく、むしろ口当たりとしては優しい。 麺は噛み切ることは容易いが、その肉感は豊かで口内で膨れ上がるばかりだった。 カレーはスパイスを抑制した蕎麦屋風の深みのある出汁でまとまり、食べ進めても飽きることもにない。 汁をひと口も飲んでいないのに、麺を食べていくほどに溢れんばかりの汁がなくなっていくのだった。
隣の高齢の男性客は二枚目も呆気なく食べ終えると、 「ごちそうさん」と枯れた声を放ちながら会計を済ませて消えた。
私も競うように蕎麦を黙々と啜り上げていると、新たな客がすぐさま私の隣の席に座った。
残りの汁は僅かしか残っておらず、二口ほどで飲み干した。
会計を済ませると、快活な女性スタッフが、 「本日はお寒い中お待ちいただき、ありがとうございました」 律儀に発した。
私は満ち足りた気分のまま隅田川まで足を伸ばした。 まさに6度目のアルベール・カミュの傑作「異邦人」を読んでいることもあり、 ベンチに腰かけ、束の間だが主人公のムルソーさながら太陽を浴びた。 そこには、小説の舞台アルジェリアの激しい灼熱はない。 だが、そこには微睡みを誘う心地良い陽光が待って...
Read moreBest soba I had until now (and I've tried a lot)! The restaurant is located in a side street in Asakusa and a bit harder to find but it's definitely worth it going there! We went there with a group of 6 people and were warmly welcomed. An English menu was available with pictures which looked exactly like the food we got in the end. You can choose between soba and udon dishes btw. The soba and the soup were delicious! The staff was really considerate and immediately brought us some napkins when they saw that some of us spilled some soup on their clothes xD The nice and kind staff and the delicious food made it a great japanese...
Read more2025/08/03 台東区浅草二丁目の「翁そば」へ。
最寄り駅のTX浅草駅から徒歩2~3分。 水口でまぐろと生鮭をつまんだあとの訪問です。
中央のテーブル席に座ります。 もりそばをお願いします。
ムニムニ麺でさっぱりと。 濃いめのつゆでツルっといただきます。
そのあとはそば湯でほっこり。 ごちそうさまでした。
2025/06/18 台東区浅草の「翁そば」へ。
最寄り駅のTX浅草駅から徒歩2~3分。 酒冨士→奥田麦酒店のあとの訪問です。
入口付近のテーブル席に座ります。 ざるそばをお願いします。
モニュモニュ麺にちぎり海苔たっぷり。 濃いめのつゆでいただきます。
やわらかい接客も心地よく。 ごちそうさまでした。
2025/05/25 浅草六区の「翁そば」へ。
TX浅草駅から徒歩2~3分ほど。 水口でまぐろとコロッケをつまんだあとの訪問です。
入口付近のテーブル席に座ります。 ざるそばをお願いします。
もっちりとした平打ち麺にちぎり海苔。 濃いめのつゆとよく合います。
接客もほのぼの。 ごちそうさまでした。
2025/05/10 浅草ニ丁目の「翁そば」へ。
最寄り駅のTX浅草駅から徒歩2~3分。 地元の人たちに愛されている昔ながらのお蕎麦屋さんです。
テーブル席がいっぱいだったので…座敷席に座ります。 カレー南蛮そばをお願いします。
熱々のとろみの強い蕎麦屋のカレー。 たっぷりのモニュモニュ麺は食べ応え十分。
やわらかい接客も心地よく。 ごちそうさまでした。
2025/04/02 浅草放浪。 夏の家→フグレン
そして〆にツルッといきたくて… 「翁そば」へ。
TX浅草駅から徒歩2~3分ほど。 地元の人たちに愛されている老舗のお蕎麦屋さんです。
この日はとても寒かったので… たぬきそば。
だしを利かせた風味豊かな熱々おつゆ。 そしてモニュとした平打ち麺。
たっぷりの揚げ玉にネギが合わさり… 身も心もほっこりです。
ごちそうさまでした。 帰宅。
2025/03/01 浅草の歓楽街、六区。 その路地裏にひっそりと佇むお蕎麦屋さんがあります。
「翁そば」
つくばエクスプレス浅草駅から徒歩2~3分。 地域の方や観光客が多く訪れる人気店です。
入店し入口付近のテーブル席に座ります。 いつもの「ざるそば」
平打ち麺はもっちりと。 濃いめのつゆでツルっといただきます。
そのあとはそば湯でほっこり。 ごちそうさまでした。
2025/02/04 浅草ニ丁目の「翁そば」へ。
つくばエクスプレス浅草駅から徒歩2~3分。 ほていちゃんでまぐろとチューリップをつまんだあとの訪問です。
看板メニューのカレー南蛮そばではなく… ざるそばをお願いします。
モニュモニュ麺にちぎり海苔。 濃いめのつゆでいただきます。
お店はこの日も地域の方や観光客でほぼ満席。 それでも落ち着いた雰囲気でほのぼのと。
浅草六区を代表する老舗のお蕎麦屋さんです。 ごちそうさまでした。
2024/11/28 浅草放浪。 さくま→モジャ
そして〆にツルッといきたくて… 浅草ニ丁目の「翁そば」へ。
つくばエクスプレス浅草駅から徒歩2~3分。 地元の人たちに愛されている昔ながらのお蕎麦屋さんです。
カレー南蛮そばが有名ですが… ざるそばをお願いします。
7~8分ほどで出来上がり。 では、いただきます。
もっちりとした平打ち麺に手でちぎったような海苔がたっぷり。 濃いめのつゆによく合います。
昭和の雰囲気漂う店内。 ゆったりとした時間が流れています。
ごち...
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