jinen — Restaurant in Tokyo

今、最も東京で勢いのある和食グループの1つである石川グループの店です。 よく話すスタッフ。濃いめの味付け。行き届いたスタッフへの教育。東京食事会勢に媚びない笑 これがグループ全てのお店に共通していることです。 どんな舌のレベルの人でも美味しいと感じられる一方、珠玉の逸品、絶妙な塩梅、複雑で美しい味に出会うことは絶対にない店たちです。

そんな背景のあるこの店の実力はどうだったのでしょうか。 味は想像通りでしたが、やはりそつの無いサービスが気持ちよいです。 しかし、再訪するかと聞かれると「行くような、行かないような…」という曖昧な評価に。 定期予約をしてまで行きたい店ではないけれど、暇な時に消極的な選択肢として候補に上がるかもしれないというか…

詳しく書きます。

まず入口！気分が上がります。 東南アジアの富裕層の別荘に招かれたような気分になります。 少し長めの外廊下を歩いて建物に入ると最初のガッカリポイントが。エントランス、レセプション、受付？どんなコンセプトのスタッフとの1stコミュニケーションか分かりませんが、メインダイニングまで足を踏み入れないとスタッフがおらず、入口の雰囲気とあいまって、他人の家にズカズカ乗り込んでいったような気分になります。 どんなレベルのレストランを目指しているのか不明ですが、最高レベルのレストランを目指しているとしたら、スタッフの数が明らかに足りないです。最高レベルを目指しているのではなく、商業的に成功するそこそこレベルの店を目指しているなら別にこれでいいと思います。 どんな飲食店に対しても素晴らしい対応を求める人がいますが、僕はそれは間違っていると思います。ほとんどのサラリーマンが生きるために働いているのと同様に、ほぼ全ての飲食業従事者も特に誇りもなく生きるために働いているだけなのです。 何度も伺いたい飲食店というのは、その誇りがスタッフからもシェフからも感じる店ですが、正直この店がどっちなのか判断がつかなかったです。

席は調理のライブ感を楽しみたいなら入口近くがよいですし、落ち着いて食事をしたいなら奥がオススメです。

ドリンクは、アルコールもノンアルも相応の種類があります。 ドリンクで特に感動はありませんでしたが、スキが少なく安心して身を任せられます。

最初の皿は甘エビとキャビア。 プレゼンテーションがモダン和食のようで、このお店がフレンチではなく「美味いもの屋」であることを改めて認識させられます。 現在はシェフの名が追いついていませんが、将来的には「ジャンル加藤」となり一流の美味いもの屋の仲間入りをするのか、単なる多国籍レストランの1つで終わってしまうかの分水嶺にいると感じました。 不味くはなく見た目にもとても日本の秋を感じさせてくれる一皿です。 但し、トップシェフ達に比べると「何をどう食べさせたいのか」という輪郭がボヤけています。 甘エビ、キャビア、下のクリーム。それをどう美味しく食べて欲しいのかという主張が最後まで見えませんでした。 違う言葉で言うと、美味しいエビをシンプルに醤油で食べる（仕立ては前菜風にする必要がありますが）、極上のキャビアをお酒と合わせるだけでそのまま食べる（海外産の場合は塩分濃度への考慮が必要ですが）ことに比べて、何が優れた料理だったのか分からないのです。 甘エビに足りていない塩分をキャビアで補い、それだけだと味が野暮ったくなるのでクリームで下支えしているのでしょう。確かに不味くはないです。でも、この料理の組み合わせの必然性がありません。 石川グループにありがちな「ありそうでなかった」でしかない出来栄えです。

そして、他の卓の料理の匂いが流れてきすぎます。 他の卓が先に肉を食べているせいでその匂いが我々の卓にも流れてきすぎるせいで、我々の序盤の皿は台無しです。 洋食の手狭な店というのはこういうところが和食に比べて配慮が足らないです。 料理が先に進んでいる他の卓の香りが次の食事への渇望になるのではなく、今の一皿への邪魔にしかならないのは大分マイナスポイントです。

アワビのパスタは誰でも分かりやすく「美味しい」と言える味に好感が持てます。 繊細な料理ばかりというのは疲れもするので、こういう気の抜ける一皿というのもよいものです。

そして、サーブのタイミングが絶妙。 ちょうど皿がきて欲しい時に運ばれてきます。 これがたまたまなのか、スタッフ間の連携がもの凄くよいのかまでは分かりませんでした。 さすが石川グループ。よく教育されていると思わされます。

アサリのスープは洋というより和の出汁のような味わい。 濃縮味の素材の味が濃いスープというのは、和でも洋でも流行りではありますが、ここまでの流れからすると個人的にはもっと上品な味で舌とお腹を休ませたかったところです。 こういう流れを作るのは中華の店が上手いですよね。

よく飲食店に行って思うのは、店側の人々は一皿一皿の料理の味見はしているのでしょうが、客としてその店を体験したことがあるのかということ。 コースの流れでの秀逸さや他の席からの匂いの影響なんかは客側から見て初めて分かることもあるはずなのですが、そこまで気を遣えている店というのは中々ありません。 また、この日は1人口臭が気になるスタッフがいました。内臓からくる臭いだったので、ブレスケアとかでは直らず、生活習慣の見直しが必要ですね。このクラスの店でそういう臭いがするスタッフがいることは稀です。 あとはスタッフのホールへの目の配り方が甘いですね。節目節目でテーブルの状態を見ての対応はよく出来ているのですが、「このタイミングでのドリンク追加オーダーはないだろう」という時に人を呼ぼうとすると中々感じ取ってもらえずスルーされ続けます。マニュアル教育の限界です。

お次は他の席に悪臭をばら撒いていた肉の登場ですが、自分の席に運ばれる時は気にならないものです。 うずらに松茸、ご飯とネギに半熟の卵。すき焼き風の仕立てですね。 松茸はちゃんと香りがします。 松茸すき焼きは秋になると必ず食べたくなりますが、上品にまとまり過ぎている店か逆に下品になり過ぎている店が多いので、中々ナイスだと思います。 野禽で奇をてらわず、家禽の良さを活かしている点も個人的には好みでした。

カツオのタルタルは正直よさがよく分からなかったです。 ここまでで舌が疲れていて繊細な味を全く取れていなかった可能性はありますが、もっとずっとお安い店の料理にしか感じませんでした。 カツオはここ数年の海の環境変化で中々扱いが難しくなっているとも聞きますが、それに対応できている料理人とそうでない料理人の差が顕著な食材な気がします。

カリフラワーのムニエル。 ここ数年で流行りの野菜をスペシャリテにする構成。あまりいい思い出がありません。 しかし、誰にでも分かりやすい味の方向性にしているためか、ちゃんと美味しく食べれました。 見た瞬間は量が多いかと思いましたが、意外とペロリといけました。 この品だけに言えることではないのですが、味覚嗅覚が衰えてきた高齢者がありがたがりそうな料理が多いのも石川グループらしいです。 金持ちに的を絞るという意味では正しい選択なのかもしれません。東京の新興食事会勢は、エンゲル係数が高いだけでお金持ちではないので。 ただ、胃もたれしないのかな？といらぬ心配をしてしまいます。 コースとしての量が多いわけではありませんが、胃に優しくない構成なので。 こういうところはシェフの目がどこまで広く見れているのかが本当に表れますね。

お口直しのシャーベットは酸味が中々好みの塩梅で美味しく食べられました。 個人的にはグラニテのようなものよりもこういう味のある品の方が好みです。

メインがサラダ仕立てなのは特に自分としてはフラットな評価ですが、鹿の扱いは好みでした。 東京の様々なレストランがジビエを扱うようになって久しいと思いますが、赤身肉を無難に無難に調理する店が多いかと思います。 田舎のレストランが出すような鹿肉を都会風に食べさせてくれる店は中々少ないので、とても記憶に残る一皿でした。

リゾットは洋のテイストですが、和のトーンというか。伝えるのが難しいです笑 舞茸の変な苦味が気になりましたが、可もなく不可もなくという一品です。

チーズは、白カビ、青カビ、ハード、ヤギ、ウォッシュが1種類ずつ。 青カビ以外はドライな感じで僕の好みではありませんでした。熟成をそれぞれ別にしているとは考えにくいので、たまたまかもしれません。 フルムダンベール、コンテ、エポワス、ブリアサヴァラン。シェーブルは聞き逃してしまいました。

アイスに醤油のソースは、みたらし団子を食べているような気持ちになり、とても好みでした。 変に手間が入っておらず素直に美味しかったです。

ブドウのミルフィーユも好みの味わい。 ブドウは薄切りの方が見栄えがしますが、やはりこれくらい厚くした方が味が良いですね。 サクサクと気持ちのいいパイに最後まで食が進みます。

ソフトドリンク＋少々のお酒で通したからか、これで7.5万円。 コスパはかなり良い気がします。

しかし、「もう一回あれを食べたい」、「このシェフのこの素材の料理を食べてみたいから次はこの季節に来てみたい」、そこまで思わせるものがありません。 そのため定期訪問する...

某口コミサイトでは載せられなかったのでこちらに載せます。

お店の雰囲気は隠れ家、な感じで入口は暗めなのに店内は明るくて、パッと気持ちが明るくなる感じ。

料理をサーブする人、接客する人、人によってはぎこちないけど一生懸命やっていて好感を持ちます。

料理はなんだろ、自分にとっては和も入ってるけどイタリアン寄りの完全創作って感じに思えました。 私が特に美味しかったのは、雲丹とじゅんさいとキャビアの冷菜と鮑のカッペリーニ、スペシャリテのカリフラワーの温菜、締めのグリーンカレーリゾットでした。 これらはここでしか食べられない！見事！美味しい！また食べたい！の一言でした。 品数も多くて、全部しっかり食べたらお腹いっぱいになりますね。 その他は決して不味いわけでは無いですが、他でも食べれそう？とか食べずらいとか、わざわざ一皿にしなくて良く無い？みたいな疑問も。 一番最後のデザートのパイ生地がめちゃくちゃ焦げてたので（真っ黒）焦げの部分は避けて残しました。 あとはその前のデザートのさくらんぼが若干、雑菌臭がしました。

以降は更なる苦言になってしまいますが… まず、ネット予約時に嫌いなものはお伝えしました、食事のスタートの前に店員さんともお互いに改めて確認しました。 1.苦手な貝類があるので、貝類は出ますか？の質問に対して、貝類は出ませんと答えているのに鮑が出ました。（鮑は好きだったので良かったのですが、鮑って貝だよね？） 2.鹿肉は完全にお断りしました、ネット予約時にも記載してます。にも関わらず、出てきました。本当に臭みもなく美味しいので食べてみてくださいという説明でしたが、そういう問題ではなく、嫌いだと事前から伝えて、当日も再度伝え、それに対して店側は『わかりました』と、私達を受け入れている、にも関わらず出してくる神経？疑います。結局私は食べられなかったので連れが食べました。つまり、私は一皿損しました。代わりの一皿『も』出てくるならまだしも、出てこない、今回は連れのご馳走だったので現地では何も言いませんでしたが、自分が払っていたのであれば、一皿分無駄にお金を払っていると感じました。苦手食材のメニュー変更の対応ができない店なら予約サイトやグルメサイトにその旨記載しておいて欲しかった、と。これが安い店の安いコースであれば、対応できないという事でまだ理解できますが、一人当たりの金額からしても安いコースでは無いので。 3.連れ自分も嫌いとお伝えしていた食材が、何故か私の皿だけに山盛り乗ってました。（最後、散らすか散らさないかの省こうとすれば簡単に省ける食材）これまた、連れが我慢して交換して食べてくれましたが、相当辛そうでした。

ちゃんと管理されていないなぁ、これがアレルギー食材だったらどう責任取るんだろうと、内心結...

【jinen.(ジネンドット)】 ※注意！Googleマップでお店の所在地「東京都渋谷区南平台町6-7」を入れると何故か6-6の位置が表示されます！ なのでGoogleマップでの検索は、 「ジネンドット」で検索をお勧めします。 ※店舗敷地内入り口に喫煙(紙タバコ可)スペースあり

2023年7月に、経営者仲間にお呼ばれされての初訪問。 常連の方が貸し切りでお店を押さえてくれました。

場所は渋谷区南平台に有り、電車だと駅からまぁまぁ歩く距離のようなので、アクセスはあまり良くはないかと。 店舗は大きく看板を掲げているわけではない為か、敷地内で他のメンバーを待ってる時、数名は店前を通り過ぎてましたww

そしてその敷地内の雰囲気、かなり良いです。 「これから美味いもん食べさせてくれんだろーなぁー！？」 って感じさせてくれます。根拠ないですけどww

着席する前に、荷物を預かってくれます。 店内は落ち着いた感じで、お庭の景色も最高です。※他のクチコミ写真をご覧ください😅

店員さんから苦手な食材が無いかの確認をしてましたが、一流店のプライドなのかメモは取ってなかった為か、お隣さんはマヨネーズが嫌いだって言ってたのにゴリゴリにタルタルソースがかかってるのを提供されて、店員さん、取り除くように言われてました。

お料理、全部美味しいです。 ただ、何を食べたのかメニュー無いしあんまりよく分かってません。 一応、説明されましたが、覚えてません。 ”明確”に食材が分からないので、極端に言うと目隠しして食べてる感じ。 ※各自にメニュー置いといてほしい。

でもとにかく美味しいです。しかもかなり。 「洋食系で美味しいの食べたいな」 と思った時、コチラのお店に来たら間違いは無いと思います。

長々と書きましたが、とにかく大変美味しゅうございました。 また是非、伺わせてください...