「がんごうじ」と読みます 興福寺の五重塔の前を南に行くと猿沢池に下りる五十二段の石段があります そのまま南に直進すると徒歩10分ほどで右側に元興寺があります 東門が今の正面入口です 北門は裏口で柵で閉鎖されています

718年創建で飛鳥から移築されたものだそうです 今も飛鳥にある通称飛鳥寺がもとの場所です あちらは飛鳥時代から法興寺といいまが、元興寺のもともとのお寺なので本元興寺とも呼ばれます

飛鳥寺は588年創建で、日本最古の本格的仏教寺院です ここ元興寺の修理の際の調査で、建築木材が飛鳥から移築されたものであることが科学的に証明されているそうです また屋根には飛鳥時代の瓦がいまも残っているそうです

飛鳥から移転して来た寺ということで、元興寺も通称で飛鳥寺と呼ばれたそうです 奈良町の南の方に東西に流れる川が昔あったそうでその川も飛鳥川と呼ばれたそうです 元興寺の南東の方にある飛鳥小学校の名前はその名残だそうです

興福寺は今の京都山科に669年の創建された寺が起源で、藤原京に672年に移転、さらにここ平城京に移転して来たのは遷都の710年のことなので、ここ元興寺の奈良移転はその8年後に遅れてのことになるわけです もともとは藤原氏の氏寺なので興福寺が優先された感があります 元興寺はもともとは滅ぼされた蘇我氏の氏寺です しかも興福寺はここ元興寺を見下ろす形の高台にあるのです

東大寺は758年の創建ですから、元興寺の移転から更に40年後の事になります

元興寺の創建当時の伽藍の規模は南北440メートル、東西220メートルの大さで、興福寺や東大寺に並ぶ巨大さです

しかし、平城京から平安京への遷都後は奈良では東大寺や興福寺が勢力を増し、さらに律令制度が崩壊していくと西暦1000年頃には、元興寺の伽藍は荒廃しつつあったそうです 1500年頃には境内も切り売りされたのか縮小して今のところようになっていったそうです 今の観光スポットの奈良町一帯は全て元興寺の境内だったようです

明治には無住寺となり、戦後すぐの頃には化け物が出るとまで言われるほど荒れ果てていたそうです

今は修理もなされ宝物館も設置されて世界遺産とにも認定されて保存整備が進んでいるようです

東大寺、興福寺だけで奈良を見た気になってはもったいない限りです 奈良で必ず訪れるべきところと思います

ここを見て感銘なされたなら、次は明日香村にも行かれるべきです 飛鳥寺＝本元興寺もご覧ならることをお勧めします