多くの鎌倉市民にとって、 樹ガーデンは、 誇れる自慢の場所であると同時に、 そっと隠しておきたいような宝です。

少なくとも、私にとってはそうでした。

ずっと北鎌倉からハイキングコースを家族で歩いてきて、 突然現れた、山の中のカフェ。 白と赤ストライプの、大輪の花というべきパラソルがそこかしこに花開き、 緑の中に、日本離れした、 レンガ積みの壁と道が広がる…。

オーナーが同志と二人で手づくりで 作りあげたなんて、 ちょっと信じ難いほどの、 山の景観と形状を活かしきった、 美しすぎる、驚きの天空カフェ。

メニューもなかなか豊富で、 昔のハリウッド女優の名前を冠した ノンアル？カクテルなどもありました。 老いも若きも楽しめた、 緑のパラダイスガーデン。

もう、なんか素晴らしすぎて、 賛辞の言葉も底をついてしまうほど。

そんな、1人の個人の情熱から生まれた、 他に類を見ない、山の中のカフェが、 樹ガーデンでした。

それがなんと、閉店するはめになり…。

ここを愛してやまない地元民の1人としては、暗澹たる思いにとらわれたものです。

これほどのよそにはない宝を、 もう鎌倉文化遺産の1つといってもいい位の素晴らしい場所を、私達は、 みすみす失ってしまうのだろうか…と。

〜そして、ついに、やはりというべきなのか、 閉店を余儀なくされた樹ガーデンは、 再び私たちのもとに、 不死鳥のごとく、少し姿を変えながらも、舞い戻ってくれたのデス🥰

嬉しいです、ホントに⁠(⁠>⁠ ⁠ਊ⁠ ⁠<⁠)⁠/

飲食店ではなく、観光施設として。 ーウンウン、それでいいよ。 あのまま残してくれるなら、もう何でもいいわよぉ。 あの素晴らしい雰囲気そのままなら、 朗報この上なし。

GW前の気持ちの良い日曜、 夫とランチを他で済ませてから、 ついに！再訪問の運びとなりまして…。

今回は、鎌倉駅西口から長谷に向かう、佐助の大通り側からの、入店です。 なが～い160段の階段を登る入口ですね。 （残念ながら、車椅子や足の悪い方向きではありません。）

幸い、入り口前の駐車スペースに空きがあり、車を駐められました。

階段をあがっていくと、途中の踊り場に、ベンチがおいてあります。 こういうところ…この気遣いが、好き♥

なんかねー、やっぱり、 惚れちゃうお店って、1つでなく、 次々とカッコいいところが、 惚れどころが見つかるんですよね。 私の場合は、人間もそうなんですけど。 1つ、おっ？この人ってここが素晴らしい、と思うと、次の良い点も見つかる。

お店もそうなんですよね…私の場合。

なんか、お店、テラスの作りもそうなんですけど、

ここを作られた方（もともと別荘）は、富裕なだけでなく、当時としては、 日本人離れしたセンスの良さと、 夢という情熱を持ち合わせた方だったんだな、と思いました。 海外経験も豊富だったんでしょうねぇ。

なんか、いろいろ、あか抜けていて。 発想も、普通の日本人には思いつかない。 発想だけでなく、自分たち2人だけで 実際にからだ動かして作り上げるのが、 さらにすごい！！

…とまぁ、以前は感心だらけで。 閉店後は、どう変わったのか、気になります。 息きらして階段のぼりきると、男性たちが出迎えてくれました。

説明によると、 入園料として大人1名千円。ただし、 ワンドリンクのコーヒーまたは紅茶、 ちょっとしたお菓子付きです。 （お菓子というか、クロワッサンをスライスした？もの、またはチョコレートがけクロワッサンのスライス。）

受付へ行って、お支払いすると、飲み物とお菓子を選びます。 私は、コーヒーとチョコがけを選びました。

唐揚げも別途有料でありました（ハイキングで、お腹減っている人のため？）。 あとはポテト？だったかな。それだけ。

夫がコーヒーとお菓子を受け取っている間に、私は、座る席選び。 ここの敷地は広いので、席選びも 楽しみの1つですよね？

広〜い敷地内の席をあれこれ見た挙げ句、直射日光を避けられ、ちょっと日陰にもなる、一段さがったテラスの一画へ。 すぐ目の前は谷で、 新緑が溢れる素敵な場所です。

最初、そこには私たち夫婦とあと先客の一組だけでしたが、 帰る頃には、そのテラスのすべての席がうまっていました。 え？なんで？広い敷地内の中で、 何故ここだけ混み合ってるの？？と首をかしげましたが、 直射日光を、皆さん避けたいのだと、 気づいたしだいです。 （他の景色の良い場所もたくさんあるのですが、日陰になるのはこのテラスだけで。パラソルだけだと、避けきれないのですね…。）

そこが混んでくるまでは、絶え間ない ウグイスやシジュウカラの囀りに、 耳を傾けながら、のんびりと、 コーヒーやお菓子を味わえました。

時々、タイワンリスが、目の前の枝づたいに走るのが見えます。 まぁ、ウグイス、シジュウカラ、タイワンリスは、鎌倉では珍しくはないですがね。おなじみさんです。

しかし、新緑に囲まれた中で、 この日はとりわけ心地よい風が吹いており、夫も私も、別天地気分。 本当に、軽井沢にでも遊びに来たような…。

自分の家の庭にも、こんなテラス席が1つでもあればねぇ…。 でも、ま、無いなら、ここに来ればいいか？と思ってしまうほど、 のんびりゆったり、鳥の囀りと 新緑満喫でくつろげました。

コーヒーがなくなるのが惜しいほど。

いつまでも過ごしていたかった…が、 そろそろお店の終了時間が近づき、 お暇することに。

その前に、ハイキングの人たちがやって来る（昔、自分たちも降りてきた）山道につながる坂の道から、写真や動画を撮影していると、 両脇のピンクのツツジの蜜を吸いに、 アゲハチョウたちが乱舞。 それもまた、この季節ならではの、 美しい光景でした。

全国各地に、同じような美しい春は見られると思うのですが、

この、山の中に広がる、地形を生かした樹ガーデンの佇まいは、かなり別格だと思います。 日本とは思えない、あか抜けた憩いの場所。 鎌倉市民の自慢でもあり、 同時に隠しておきたい安らぎの場所。

その点は、まったく、 変わっていませんでした！(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)⁠✧⁠*⁠。 良かった〜。

昔は多くの人でごった返し、 通路に長蛇の列ができるほど混み合うのが、日曜休日でしたが…。

このような、静かに自然のなかで 心からリラックスして、時を過ごせる 今の樹ガーデンも、 とっても！素敵だと思います。

樹ガーデン様、 願わくは、あまり大勢の外国人観光客に見つからず、地元の人が落ち着ける場所でありますように。 永くいつまでも、続きますように。