去年の12月に浅草の巴蜀(はしょく)さんを訪問してきました。 福岡で有名な四川料理の名店が東京に移ったと聞いており、 いつか訪問してみたいと思っておりました。
なんと福岡のお店を閉店し、信州大学の大学院農学部に入学されたそうです。 松島教授のもとで唐辛子の辛みの出し方と発酵唐辛子の辛みの変化の研究されており、 今は週の半分を学生として長野で過ごしているそうです。 四川料理への愛がすごいですね( ゚д゚)
簡単にお店の紹介をさせていただきますφ(・・
荻野亮平さんの経歴
辻調理師専門学校卒業後、 東京千駄木の天外天で四川料理を学ぶ(1999〜2001) その後四川留学(2001〜2002)を経て、 北九州市小倉の欣葉で台湾料理を学ぶ(2003〜2007) 2007年に東月隈で開店、2016年美野島に移転。 2014年「伝統×現代 深化する中国料理(旭屋出版)」の共同著作者として参加。 2023年に陳建民アカデミー賞受賞 2024年より信州大学大学院入学
萩野さんからメッセージ
料理を新しい方向に進化させることもいいかもしれませんが、 古い料理を再現して現代に蘇えらせること、 まわりの変化に抗いながら、 常に古い時代の料理を追求することという、 進まないという進化があってもいいのではないかと考えます。 レストランというのは食事だけではなく食文化や歴史なども提供するところです。 おいしいことが全てではないと考えておりますので、 お客様にも当店で文化に触れていただけたらと考えております。
四川料理について
中国四千年の歴史といっても、中国料理の歴史は二千年程度。 その中で蜀の国として栄えた四川省は、古くから食が発達した地域です。 皆さんにおなじみの四川料理である担々麺や麻婆豆腐はそれぞれ175、154年前にできました。 そして四川の代表的な味付けである魚香は110年ほど歴史です。 当店ではその時代を経て長い間培われてきた四川料理が、 1980〜2000年に最高の時を迎えたと考えています。 100年前の四川料理は、調味料の数を4〜5種類しか使用しなかったといわれています。 その少ない調味料のなかで百菜百味、 一菜一格(100の料理に100の味付けがあり、それぞれの料理に品格がある) といわれるものを作ってきました。 当店もそれにならい、できるだけシンプルな調理方法、調味を心掛けています。 味付けの中心は岩塩で、それに発酵食品や香りのある油を組み合わせて深みを出しています。
今は火曜日に信州に行って木曜日の夜に東京に戻り、 営業は基本的に金曜日の夜、土曜日の昼夜、日曜日の昼夜だそうです。 勉強とお店の営業を両立するのはかなり大変そうですね(^◇^;)
都営大江戸線の蔵前駅で降車してお店に向かいます。 歩いて20分ほどでお店に到着です。 すごく明るくてステンドグラスがキレイなお店です(╹◡╹)♡
お店に入るとスタッフさんが元気に出迎えてくれました。 ほぼ満席の状態ですごく賑わってました(๑˃̵ᴗ˂̵)
厨房では荻野さんがガンガン調理しておりました!! 厨房内がすごくピカピカで掃除が行き届いておりましたd( ̄  ̄)
最初のドリンクは自家製漬け込みのレモンサワーを注文しましたd( ̄...
Read more【ただ食べるだけではない、深〜い料理】
『巴蜀』とは中国,四川省辺りを指していう言葉。巴とは現在の重慶を中心とした四川省東部,蜀とは成都を主地域とした四川から東に1,000㎞以上離れた武漢市くらいまでのエリアを意味する。
四川料理とも微妙に違う重慶料理を中心に『巴蜀料理』を食べられる。
シェフが信州大学に通っている関係で基本は月〜木曜が休みで営業は金土日のみとなかなか行くチャンスが合わなかった。この日は三社祭もあって賑わう浅草だったが、予約をして訪問。
コースは13200円、22000円、33000円コースとランチ6600円のコースがある。シェフのおすすめは22000円らしいが、庶民なのでとりあえず一番下で人気コースだと言う13200円を選択。
前菜が11種。まずは7種。酒のアテと言うより、これだけで楽しめてしまうプチ料理。 「生搾りレモンサワー(税込660円)」で乾杯。 ①「プチトマトの甘酢漬け」…滋味深い甘さ。 ②「シシトウの豆豉炒め」…辛さより旨さを感じる ③「ジャガイモと鮑の和え物」…割とあっさりしていて美味 ④「かぼちゃ、青唐辛子」…普通に甘くて美味しいと思ったけど青唐辛子も入ってた ⑤「胡瓜の黒酢漬け」…ポリポリ…食感が楽しい。 ⑥「モロッコインゲンと四川の漬物」…複雑に旨みあり ⑦「椎茸の醤油煮込み」…濃厚な味かと思いきや後味はスッキリ。
続いて地域別、時代別の「棒棒鶏4種」… まずは左上の棒棒鶏から ①1930年頃に生まれたと言われる棒棒鶏の発祥の地は楽山市と言われるモノの再現。…辣より麻の山椒が効いている感じ。 右上②重慶の隣接州で1960年代に棒棒鶏の細切りで胡麻ダレタイプが作られた。このタイプがその後、日本に渡って来た。…見慣れた感じの棒棒鶏、それでも他の店で食べるより美味しく、少しピリ辛。 左下③1980年頃重慶の、とある一つのレストランが郭沫若と言う作家が書いたエッセイの中に『今思い出しても涎が出る』と言うほど美味しいと言う意味で使った「ヨダレ鷄」を開発。その料理がこれ。意外に結構辛くて汗じんわり…どちらかといえば中国語で『複雑な味』を意味する『怪味』に近いかも。 右下④成都の味付けで1933年のヤオジー棒棒鶏と言うテイクアウトの店の塩味ベースを再現。…他のものに比べるとサッパリ味。
続いて「海老米炒め」…海老は潜っていて、周りはポン菓子風の米で覆われ、山椒、唐辛子、色鮮やかな刻み赤ピーマン、青ピーマン、ネギなどが散りばめられている。ぽりぽり食感と抜群の味付けの米、海老が絡まり合ってとてもインパクト強い一品。
「ヒラメと甘鯛」…ヒラメと甘鯛は重慶ではよく組み合わせるそう。今回は甘鯛の鱗を使った『松笠揚』になっていて食感も楽しく美味しく、ソースは甘さも感じつつ辛さじんわりで美味。
「フカヒレの姿煮」…台湾料理の作り方で提供される。ネギとニンニクを揚げ、そこに鰹出汁と鶏のスープをベースに醤油味で煮込んだモノ。 ソースはよくあるとろみタイプではなく、割とサッパリと和を感じる。いつもとちがうフカヒレも美味しい。
ワインと迷ったが喉をスッキリさせたくて、「ハイボール(マルス信州)税込770円」をオーダー。
料理は肉料理の 「四川ダック」…予想外の四川ダック…よく食べる皮を巻いて味噌ダレで食べる北京ダックとは全く違い基本は肉厚なダックのみ。四川成都の伝統的な料理だそう。アヒルの中にネギ、生姜、自家製発酵唐辛子、豆豉、山椒、ヤーツァイ(漬物?)を炒めて入れ、それをソースにも使う。ソースは少し味噌を感じる不思議な味。辛くはなく、薄めの味で複雑に深みのある味。肉肉しい一品。
〆の麺は「鮑...
Read more先日、友人のすすめで訪れた「四川料理 巴蜀(バショク)」。結論から言うと、四川料理好きにはたまらない名店でした。料理のクオリティはどれも高く、全般的に“めちゃくちゃおいしい”というのが率直な感想です。ただし、辛さも相当なものなので、その点は覚悟して行くべし、というお店でもあります。
まず、印象的だったのが「エビと揚げ米を使ったお米料理」。これがもう、とんでもない衝撃でした。見た目はシンプルなのですが、食べた瞬間に口の中で「カリッ、ジュワッ、プリッ」という三重奏が始まります。揚げた米のサクサクとした食感がまず心地よく、そこにエビの旨味とタレの風味が見事に絡み合い、単なる“米料理”という一言では収まらない深い満足感がありました。この料理はぜひ多くの人に食べてほしいですし、自分でも再訪時には必ず注文したい一品です。
次に、四川料理といえば外せないのが「マーボー豆腐」。こちらでは辛さが2段階から選べるスタイルになっていて、「辛さ1」と「辛さ2」があります。僕は普段から辛いものに強い方なので、軽い気持ちで両方を注文したのですが、いやもう、両方とも容赦なく辛い。唐辛子の風味と痺れる山椒のバランスが絶妙で、旨味もしっかり感じられるのですが、その奥にひたすら攻めてくる“辛さ”が潜んでいて、食べ進めるごとに汗が止まらなくなります。それでも箸が止まらないという、辛さの中に旨味が確実にある、まさに「本場の麻婆豆腐」でした。
他にも定番のよだれ鶏や青菜の炒め物、坦々麺などもいただきましたが、どの料理も外れがなく、味付けの一つひとつにシェフのこだわりを感じます。全体的に、油の使い方やスパイスの調合が非常に繊細で、安っぽさや雑さがまったくなく、どの皿も「本格」を名乗るにふさわしい仕上がりでした。
お店の雰囲気は比較的カジュアルで、グループでも、一人でも入りやすい雰囲気です。店員さんも親切で、辛さが苦手かどうかなどを丁寧に確認してくれたり、料理の説明をしてくれたりと、サービス面でも安心感がありました。
唯一注意点を挙げるとすれば、やはり「辛さ」のレベルです。本当に辛いものが苦手な方は事前にしっかり相談して、メニュー選びを慎重に進める必要があると思います。逆に、辛いもの好きにはこれ以上ないご褒美のようなお店だと思います。
総合的に見て、「四川料理...
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